旧国立駅舎の再築工事見学会~驚きの既存部材再利用の手法・・・全体では7割が当初の木材を使用!

旧駅舎の見学会には400人ほどの応募があったという。
一日の予定を二日に替えても抽選に外れた人がいたのは残念でした。幸いにも私は12月8日に参加でき、工事を請け負っている竹中工務店の方々の説明を受けることができました。

南側には特徴ある円形窓の輪郭が確認できました

6月に始まった工事ですが、すでに屋根までの骨組みはできあがっていて、ここが三角屋根の真下という場所に立つと、いよいよ駅舎が戻ってくるのだと感慨無量でした。

柱には新しい木材を多く使っていますが、なかには既存の部材と繋ぎ合わせているところがあり、その精巧さは見事です。屋根に近いほど既存の木材が使用可能で、全体の7割を占めるというのも驚きでした。

土台は当初と同じ鉄筋コンクリート

見学の後、市民プラザに展示された関係資料の説明があり、こちらも感動ものでした。

一番最初の設計図だという全紙大の青図は、これ一枚で駅舎全体の細かなところまで分る貴重なものです。
出札口や手荷物口も当時のまま再現できるという、こうした図面が残っていたからこそです。
そのほかにも実現はしなかったけれど、当時考えられた「国立駅前ソーダフォンテン」とか「円形広場の展望台」
の設計図などがあり興味をそそられました。
赤い三角屋根の駅舎は2020年2月には完成し、春には公開できるのではないかとのこと。
文化財として風格ある建物の出現が予想されるだけに、周囲にはゆとりある空間をと願わずにはいられません。(文責 さかきばら)