さまざまな団体が、1週間、地域から平和を創る諸々の企画を出しあい、市民とともに広く語り合うという取り組みでした。
私たちは、ドキュメンタリー作品「軍隊をすてた国」を上映し、コスタリカ・ツアーから先月戻られた一橋大学・サークル【PARMAN】より大学生をお呼びし、直接お話を伺うという企画を立てました。
国立市の内外より、おおぜいの方に参加していただきました。
日本の自衛隊イラク派兵が1年を越え、憲法9条2項の「戦力及び交戦権の否認」を実質的に手放そうとしている時だけに、その逆をいく、「軍隊をすてた国」と題する映画への関心が、平和を願う市民の間に高まっていることを実感しました。
映画は、軍事費をゼロに抑えているコスタリカが、教育・福祉・環境面をいかに育んでいるかを、働く女性、就学する労働者や子どもたちなどへインタビューし、社会の諸相を日常の観点から描いています。
誰もが一様に、紛争の多い中米の地にあって、軍隊を持たない、安定した平和なコスタリカを心から望んでいることが、とてもよくわかります。
コスタリカへ行った二人の大学生は、保育園や学校を訪ねた際、対話による授業が重んじられ、環境保全のため、木を植えるなど子どもの頃から循環型社会が身につくような教育がおこなわれていることに、とても感心した、と話してくれました。
米国との緊張関係をはらんだコスタリカ外交から食生活まで、映画を見た参加者から、多くの質問が出て、時間が足りず残念なほどでした。
今企画を通じて、改めて、対話を通して隣人と関係を結ぶことの大切さを感じています。コスタリカと日本、第二次大戦後、両国とも「平和憲法」を持ってスタートしました。平和外交を進めてきたコスタリカは、現在、中米にあって信頼を寄せられています。日本は、アジアにあって、孤立している事実を隠せなくなってしまいました。この事態に抗うためにも、わたしたちは、平和な社会、平和な関係づくりに向けて発言し、広く手を結び合うようでありたい、と思っています。
(企画担当者・小川宏美)