今、国立市でも平成16年度の予算案の概要が示され、議会会派に説明を行っているが、予算編成の過程が市民に明らかになっているとは言えない。もっと市民の意見を反映できるシステムにするには、予算編成時期に、わかりやすい説明や意見交換を行う公開の場が必要となる。
厳しさが一層増したという財政状況下で提案される予算が、議会を通るか通らないかが最大の課題となる3月議会が27日から始る。3役人事に絡め、いたずらに議会の権威をふりかざすのでなく、市民の本当の願いを聞き取った発言が聞かれることが期待される。
さて、1月28日都庁内の談話室で、自治体公共政策研究会の菅原敏夫さんの話を聞く機会があり、平成16年度「地方財政計画」をめぐるホットな国の情報と、分権・財政問題、地方自治体の財務について沢山の示唆を得ました。その概要は、
1.市民社会の転換点・・・・’03年6月27日の閣議決定の二つのポイントは、「いわゆる骨太の方針」と「公益法人制度の抜本的改革」。それぞれ「市民政府」「市民社会・市民組織」のあり方の議論は重要だが、まだ市民社会の要求に応えるものになっていない。
2.三位一体の改革のわすれもの・・・国庫補助金、税源移譲、交付税の「三位一体の改革」は空中分解ぎみ、本質的なことが忘れられている。特に、三つのうちの二つ、補助金と交付税は国債、地方債、借入金なくしては存在できない。その借金の全体像と、返済、棚上げ、踏み倒し(債務免除)を含めて、処理方法を示さない限り場当たり的になる。
3.3年周期の自治体財政、新たなステージへ・・・‘92〜94のバブル崩壊以来自治体財政は3年の周期で変化してきている。今年の特徴は、国、地方とも債務削減、歳出純減、政府の役割縮小に動き出した。これまで借金をしない苦しさを知らなかった自治体にとって、スパルタ教育ともいえる厳しい事態だ。
4.総務省発「財政課長内かん」を読む・・・「内かん」は各自治体にあてたお手紙で、これを熟読して予算編成に当たるよう、その心得や秘訣が記されているようだ。財政デフレが続き、臨時財政対策債は出ずっぱり、補助金改革と税源移譲が入り組んでいる複雑な状況を見極めるのも大変だ。「所得譲与税」という先行減税もあるとか、交付税の単価や補正係数にも注目していかなければならないなど。