待機児童対策と保育の質を問う

7月に東京都福祉保険局が発表した都全体の待機児童数は8586人、
前年度比120人増で、区部では500人を超えるところもある。

国立市では現在125人の待機児童がいて、産休後の就労復帰や
求職できない人の不安や不満の声がある。
実際に子どもの世話をしているのは母親が圧倒的に多く、
働きたくても働けない待機児童を持つ母親の心労は深刻さを増している。

そのような中、国立市は、市内に私立保育園を2園、
2018年4月と2019年4月にそれぞれ開園予定となる計画を発表した。

現在富士見台2丁目に建設予定の「国立たいよう保育園」については、
0~5歳児定員66人募集とのこと。これまで説明会が2回行われたが、
1回目に近隣住民の方から出された意見により、騒音や送迎時の迷惑駐車、
子どもたちの出入り時の危険性に関して十分配慮した対策等、2回目にはかなり改善策も見られた。
しかし近隣の方が指摘されたように、この建設予定地は必ずしも子どもにとって安全な場所とは言えない。
今後も行政がしっかりと現状を把握して対応する必要がある。
2園目の中2丁目にある都有地を活用する提案は、8月~9月に運営事業者を公募するという。

国立市では、公立保育園の民営化の課題もあり、
常に保育の質を問う、「子どもが生きる力」を育むことができる国立らしい保育を目指してほしい。
市民の声に耳を傾け、次代を担う子どもたちが健やかに育つ環境を整えるのが国立市の役割と考える。

阿部美知子

 

※2017年8月8日発行「生活者ネットくにたち №176」より