体験しませんか-認知症模擬演技者と接し方を学ぶ- 3/25

まちで、「もしかして徘徊かな?」と思われる方を見かけた経験はありませんか?

模擬演技終了後、司会の人が演技者にその時の気持ちをインタビュー

心配だけど、どう声かけしたらよいのだろう。
認知症の人が安心できる接し方をみんなと一緒に学びたいと思い、
国立・生活者ネットワーク「月いちカフェ実行委員会」とNPO法人ACTくにたち すてっき共催で企画しました。

当日は、ACTのSPSD(認知症の模擬演技役)講師を招き、ロールプレイを行い、
そのあとグループワークでみんなで話し合うという流れ。

ロールプレイのシナリオは2パターン
<1>家に帰れず迷っている認知症の人への声かけ
配役は、道に迷った高齢者→認知症の模擬演技役者
公園のベンチでおしゃべり中の二人→会場から2人

ベンチでおしゃべりしている二人の前でウロウロしている女性が突然「あなた、私の家を知りませんか?」と尋ねます。
そこから、二人はシナリオなしで対応していくことになります。
模擬演技役の方は認知症の方ならこのように答えるだろう、という受け答えをしていきます。
「さっちゃんに駅で待ち合わせたけど、会えずに家に帰ろうと思った。戻る道がわからなくなった」
という会話に、どう答えていくのか、など。

演技終了後、進行役のファシリテーターが演技中の気持ちなどを聞きます。
「どんな気持ちでしたか?」
「早くさっちゃんに会いたいのに、あんまり二人がゆっくりしているから、座っていられなかった。
つい、立ち上がってしまった。」
<2>スーパーのレジにて

お金は足りているはずだと言い張る高齢者(演技者中央)にレジ係役(左)と後ろ(右)に並んだお客さんが対応中

欲しいものを手当たりしだい買ってしまいお金が足りなくって立往生
配役は、お買い物をしてレジをする女性→認知症の模擬演技役
レジ係り→会場から、女性の後ろに並んだレジ待ちの客→会場から

たくさんの買い物をドサっとレジにおく。レジ係が計算して「3,518円になります。ありがとうございます」
認知症と思える女性は、財布から1,000円札と小銭をばらばらと出して
女性:「これでお願いします!」とつぶやく
レジ係り:「お客様、これでは足りませんが?」
女性:「足りてるでしょ!おつりがあるはずよ。」と言う

女性は1000円札を一万円札と言い張り、なかなか後に引きません。
後ろに並んでいた人が隣人だと思い話を始めますが、後ろの人も「お金が足りないみたいですよ。」
と言えども、「そんなはずはない。」の一点張り。

演技終了後の「どんな気持ちでしたか?」の質問に
レジ役りの人は、「もうどうしたら良いか、わからなくなってしまった。」と正直な感想を述べられました。

グループワークでは、
本人の困っていること 求めていることは何だろう
どう対応すれば良いだろうか を話し合い、発表。いろいろな意見が出て活発な話し合いになりました。

国立市内のあるスーパーでは、近くに高齢者の大きな施設があり、ゆっくりとレジ対応ができる箇所があるなど
情報をいただきました。
地域で介護が必要な人々が暮らすには、そこにあるお店や人々が理解し、付き合っていくことが必要なのでしょう。

グループワーク中

東京都でも、
・コンビニエンスストアや配送業などの地域にネットワークをもつ業種に冊子「知      って安心認知症」を配布、サポーターの要請を支援する。
・「住民の皆さんのための高齢者等の見守りガイドブック」の電子版を公開する。等の積極的な取り組みを行っており、この取り組みの成果がわかってくる頃です。

介護にむけての考え方は日々変化しています。
地域全体で理解を深め、その機会をつくっていき、
誰もが孤独にならないようにしていきたいですね。