自然と人~まちの声から

 16日に日本を上陸し縦断した台風18号は、「これまでに経験のない大雨」と気象庁がし予想したとおり、ニュースから流れてくる被害はたいへん大きなものでした。亡くなられた方に謹んで哀悼の意を表し、また被害に遭われた方々にはお見舞いを申し上げます。

 さて今回は、台風一過、事務所に立ち寄ってくださった女性からの<まちの声>です。

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  さっき友人と台風18号の話になってね―

「あれはきっと自然界から私たちへの手厳しい訴えだったのよ!」って。

 「何の訴え?」

 「2020年オリンピックの東京開催で、すべての問題が解決してしまうかのような思い違 いをしていることについてよ。安倍首相が五輪招致演説で福島原発事故に関して“アンダーコントロール”と言ったことにも表れているんじゃないかしら?」
 
 「“人が制御できる”なんていう(おご)りに対しての戒め
かな。」

 「本当は優先順位が間違っているように思わない? 
日本人全員で全力を尽くして、今の原発問題を解決しなければいけない状況なのに、利潤追求第一義の一企業にまかせっきりでいいの?」

 ―それで今回の台風のことと、今オリンピック招致に少しばかり浮かれている私たちってどうなのかな?という思いとがちょうど重り、がーんって感じだった!

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  今、問題となっているタンクの汚染水漏れも、台風の雨風によりさらに悪化し、広範囲への拡散につながるだろうという想像は容易にできてしまいます。  首相曰くの「アンダーコントロール」ということは、原発はもとより日本の自然をも人間が制御するということでしょうか?

独映画“Under Control ”で紹介されているカルカーの高速増殖炉~遊園地に改装された.(写真は映画HPより)

まったくの余談ですが、いつもの知りたがりの虫を抑えられずに「アンダーコントロール」という言葉の裏を検索していたところ、―廃炉を決めたドイツの原子力技術・産業に関するドキュメンタリー映画のタイトルUnter Kontorolle―にヒット! この映画は、ドイツ各地の原子力発電所、ウィーンにある国際原子力機関(IAEA)などの関連施設、およびそこで働く人々の姿を原発賛成・反対のどちらでもない客観的態度によって紹介したもので、奇しくも3.11のひと月前にベルリン映画祭で発表、後に公開、日本でも上映されたそうです。  
さらに英語圏内では“Everythinng’s under control”と手紙の末尾に書く言葉があって、すべて計画通りだから=心配しないで大丈夫という意味合いらしいことが判明しました。

いわきに帰って活動している板谷のり子(前市議)が立ちあげに関わっているプロジェクトが動き出しました。バーナー板谷のり子の活動をクリック!


さて、20日未明には東北地方に震度5の地震。大震災の余震とのことで、地元の方からは不安の声が聞こえます。

本当に、心配しないでも大丈夫なのでしょうか?
自然界からのしっぺ返し、次はもっと大きなものを失うことにならなければ良いのですが・・・