防衛すること と 人の性(サガ) ~チャドクガとのたたかい~
さて、今回はまちで拾った声をお届けします。
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今年の春から住んでいる団地の植栽を担当することになりました。
広い敷地に樹木と芝生がかなり広く配置され、やんちゃな子どもたちが走り回って遊ぶ姿が見られます。
今年の5月のことですが・・・・、例年この頃にはチャドクガの幼虫が発生するため休みの日を利用し、夫とともに十数本の椿の木をチェック。私の格好は、つばの広い麦わら帽子、花粉除けの透明なメガネ、大きめのマスク、もちろん長袖長ズボン、軍手。・・発生が暑くなる前で良かった。
この害虫、樹木への影響はもちろんのこと、危険を察知した瞬間に出される非常に細かい毒針は人の皮膚に触れるとかぶれてしまいます。抗原になって2回目からはアレルギー反応を起こす場合もあります。また、子どもだと掻きむしってしまい、広い範囲に毒針がひろがり、炎症をおこし重症になってしまいます。数年前、数名の子どもや掃除をしていた男性が、発熱、病院に行くまでの騒ぎとなりここの住民の方々は害虫発生には、ちょっと過敏反応になっています。
数十匹整列して固まっている幼虫を見つけたら、木の下からそーっと大きなビニール袋を広げ、木に刺激を与えるか、殺虫剤をシュッ!すると、一斉に糸のようなものを引き下にスルスルと落ちていきます。それをビニール袋に全部受けて確保。枝にいたなら枝ごときって袋に。数日の間は、見落としがないか仕事に出かける前に必ずチェックし(夫が)、見つけたら即同様な処理を行いました。この作業を行っていた時、住人の方が「お疲れ様、椿の木なんか全部なくしちゃえばいいんだよね。」と少し憎々しげにしゃべって通っていきました。普段はとても穏やかなおじいちゃまなのですが・・・
その言葉を聞いて、ふと「あれっ、この虫、そういえば自分の身を守っているだけだよな~。」と思うと、この徹底した害虫の駆除って本当に必要なのかしら?と首をひねってしまいました。
襲ってくるわけではない、自分を守るために刺激があれば毒針を放出し逃げるだけ。言ってみれば、ただ強力な武器(毒針)をもち防衛を徹底しているということでは。それに対し、私たち人間は攻撃を回避するのではなく、準備万端にして一匹残らず処理してしまおうとする。
この人の世で、防衛を強力にすれば、本当に身を守れるのだろうか。逆に徹底した攻撃を誘導するはめになりそうなのだが・・・・・・・
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「攻撃する」と「防衛する」は実は同義なのでは。そういえば、集団的自衛権の行使を急ぐ向きもあるようだ!!