支援をしていくことの難しさ

 自宅の近くに路上生活の方々を支援するNPO法人がシェアハウスをオープンした。知人がスタッフだったことから、正月休みに年末の頂きもので我が家よりはずっと活用していただけるかと思われるものなどを持っていった。

 夕方、5時半ころ「さっきまで通所利用されている人がたくさんいたんですよ。」という暖かく広いリビングに案内してもらった。壁には以前の持ち主が置いていった明るく大きな絵画が飾られている。寝泊まりの出来る部屋、通所で利用されている人たちのために支援するジャンパーやトレーナーを置いてある部屋など見学させてもらいながら、「生活保護の認定がとれそうだったのに、直前で本人が断ってしまった。」「ずっと寝たまま状態でかなり体が衰弱しているみたいなのだが食事をしてくれない。」など支援する側とされる側の想いの違いを悩みながら活動している様子を語ってくれた。

 実は、もともとこのハウスのオープンは昨年8月の予定だったらしいが、地域の自治会との受け入れ協議が長引き、昨年末にやっと実施できたとのこと。悩み多い利用者の方への支援と地域の人たちへの理解を得ていくはたらきかけの困難さは高齢者や障がいをもった人のための福祉施設でもよく耳にする。

 数日前には、今も埼玉県に避難している福島県双葉町の人との会話をDVDにした試写会にたまたま参加させてもらった。避難当時と3~4か月たったころの気持ちが違ってくること、支援が逆に苦痛になることなど経験した当事者でなければわからぬ言葉にハッとした。

 当事者の声を聞かねば、その「支援」が本当に支援になっているのかわからない。
支援することの難しさを感じた正月であった。

 1月17日(木)18:30~21:00、くにたち福祉会館 4階大ホールにて「障害を理由とする差別の禁止に関する法制」にむけた取り組みについて、という地域フォーラムが開催される。
★ 経過報告:東 俊裕さん(内閣府障害者制度改革推進会議担当室長)
 基調講演:伊東弘泰さん(NPO日本アビリティーズ協会会長、内閣府障害者政策委員会差別禁止部会副部会長)資料代300円 主催:CILくにたち援助為センター★

  なにを差別といい、何を禁止するのか? 当事者の想いは置き去りにされてはいないだろうか。いろいろな人の目と耳、心と体で確認してもらえるといいなぁ、と思う。