大井ふ頭と京浜埋め立て地の細い水路へ入ると、右手に大田市場が見えてきます。水産物が全商品の取扱量の3分の2を占める築地市場に比べ、この大田市場では、青果物が中心で、また花き部門は、青果とは別の建物があり都内で1番大きな取引が行なわれています。
大田市場は、海側以外の周囲を東京湾野鳥公園、東海埠頭公園、中央海浜公園とすべて公園で囲まれるという立地にあり、市場内の床面積は築地も大田もほぼ同じですが、敷地面積は築地の1.6倍と恵まれた環境にあります。
築地市場の移転先といわれる豊洲も、敷地の面積や立地条件からすれば好条件なのかも知れませんが、土壌汚染とその処理問題が本当にクリアになることが先決でしょう。
大田市場を過ぎ京浜運河に入ると左手には平和島公園のある京浜2区、ここには倉庫の団地があります。冷凍倉庫団地もあるそうで、聞いただけで凍えそうです。
右手は大井ふ頭中央海浜公園。干潟の保全地域があり、野鳥の餌場になるため、奥の浜には野鳥の観察小屋が設置されています。干潟の自然再生のほか「なぎさの森」といわれる樹林を育てるなどの都民のボランティア活動が、平成14年から続けられているそうです。
海が近いからか、このあたりは干満の差が激しく、20年程前には“ぼら”の大群がのぼるのが見られたという話をきいたことがあります。
夕暮れ近くの水辺に人影はまばらでしたが、磯釣りをする人(何が釣れますか?と大声で叫んでみましたが、風向きもあり会話にはなりませんでした)や学校帰りの学生さんが、私たちの船に向かってめずらしげに手を振ってくれました。
中央公園の先には巨大な八潮団地、その対岸には「東京シティ競馬」でお馴染みの大井競馬場の観客席が見えます。以前は東京都の公営事業でしたが、現在は、特別区競馬組合として、23区の一部事務組合で運営されているそうです。地方競馬の経営が厳しい中、トゥインクルレースなどの目新しい取り組みは売り上げをもたらしたのでしょうか?
船はさらに京浜運河を上ります。品川清掃工場、大井火力発電所「八潮」を過ぎ、目黒川が合流するあたりが、天王洲アイルです。シーフォートスクエアにある馬蹄形の銀河劇場(元アートスフィア)などまったく新しい感覚のビルが建ち、特に水辺から見上げると不思議な空間を創り出しています。
京浜運河を抜け、品川ふ頭にそって右に回るとレインボーブリッジの付け根が観えてきます。やっと芝浦に戻ってきた!!
すっかり陽も傾き、昼間下った時と同じ場所とは思えない風情が漂います。
実は、12月議会も始まり、いつまでも川調査の報告でもないだろうと、今回で納めようと思いましたが、次回、夜の帳が下りる頃のちょっと寒いけれど、ちょっと素敵な臨海と墨田の風景を紹介したいと思います。
いい加減にしろよ!とか言わずに、しばし世知辛い世間を忘れて・・ぜひ!