生活者ネットを代表して、2006年度一般会計及び各特別会計予算に賛成の立場で討論します。今年度は新たな基本構想のスタートの年。これまで以上の市民参加を得て策定された構想や計画に対する市民からの期待は、並々ならぬものがあります。執行する側は、しっかりこれに応えていかなくてはなりません。
4月施行の「障害者自立支援法」、これまで支援費の対象外であった精神障がい者を加え、自治体は、三障がいを一元化した施策の展開と就労支援事業をすすめていきます。市内の作業所や授産施設の充実とともに、障がい者自身の意志決定を大切に、適切な就労のためのトレーニングの場の確保など環境整備が急がれます。市民やNPOと協働する行政の一層の努力が必要でしょう。
また、「新行財政健全化プラン」をベースに、きたるべき団塊の世代の大量退職のピークを迎える前に、定員管理計画をいかに実行していくかが、「小さな市役所」を実現するキーポイントになります。正職員と嘱託と再任用を組み合わせ、効率的な仕事を目指していく姿勢は評価しますが、単に時間の短縮だけでなく、ワークシェアリング、雇用形態のありかたそのものの根本的改革が必要です。
市政建て直しに必須なものに、補助金の見直しがあります。庁内検討委員会による1次評価に続き、2次評価では、第三者で構成する「補助金等審査委員会」での精力的な審査の結果、一定の方向性が出されました。しかし、1日も早く、補助金を受けている団体をゼロベースで見直し、公平なしくみをきっちり市民へ公開することを要望します。例えば「くにたち文化・スポーツ財団」の管理運営費と補助金の関係については、「指定管理者制度」導入過渡期のこの1年、しっかりチェックしてほしいと思います。市民サービスの低下のないよう、しかし経費節減のインセンティブの働く工夫を求めます。税金の使途についても、先進事例では、納めた市民税の1%を納税者自らが選んだ市内のボランティア団体やNPO法人に託す事のできる「市民活動支援制度」を導入する自治体もあります。こうした制度の研究もぜひすすめてほしいと思います。
次に環境問題です。生活者ネットからは、循環型社会実現に向けての提案を数多くしてきましたが、なかなか進まない実状があります。水循環や緑化のこと、ごみ問題や都市農業のこと、いずれもリンクすることです。市報、ホームページ、掲示板などあらゆる手段で周知し、市民に関心を持ってもらうよう努力しなければなりません。市民から多くのアイディアを募ることもよいでしょう。また、大学通りの景観、文化的遺産としての国立駅舎、南部のハケ、崖線など、まちの活性化につながる仕掛けを考えたいものです。清化園跡地利用の早期実現、未利用地の活用・売却等、早急に具現化するよう要望します。
最後に、今年度は「改正介護保険制度」実施の年です。市民にとって介護保険料の値上げや、利用者にとってのサービスの変化など不安要素も多く、国の方針と現実のギャップの中で、地方自治体の果たす役割は重要です。従来の「在宅介護支援センター」に代わる「地域包括支援センター」事業で、市民へのサービス向上を示すことが必要です。今後、高齢者の増加に伴い、民間の施設やNPOに頼らざるを得ない現状の中、市の事業者との連携を深め、同時に市がチェック機能をもつ評価システムを充実させることで、事業者のレベルアップを図ることを期待しまして、生活者ネットの賛成討論といたします。