大学の緑、一緒に考えませんか。

樹齢約90年のヒマラヤ杉、また8本伐採

「・・・本学の緑地維持管理について周辺住民や国立市民のご意見を伺うことは予定していません。」(一橋大学の回答より)
 今年3月、一橋大学・兼松講堂の改修後、講堂周辺を中心に32本のヒマラヤ杉と1本のクロマツが切られたことがわかりました。そこでわたしたち(樹々の会/くにたち緑のネットワーク・国立・生活者ネットワーク)は、8月5日、学長宛て「要望書」を提出しました。ところが、何の説明もないまま、8月末にはヒマラヤ杉8本が伐採されてしまいました。

8/31学長宛て「要望書」の回答届く
以下は、「要望」と、一橋大学からの回答です。

1.今後の一橋大学の緑地のあり方を検討するため、植生や動植物の生態調査等、詳細な調査を行ってください。
 ⇒(答)植生や動植物の調査は「緑地基本計画」において、あくまでも大学キャンパスの緑地維持管理の観点から実施しており、「緑地基本計画」策定上必要であればさらに詳細な調査を行います。

2.一橋大学内の樹木を伐採する場合には、市だけでなく、市民にも事前にその情報を公開するようお願いします。
 ⇒(答)「国立市都市計画景観形成条例」に該当する樹木の伐採については同条例に基づく届出を行っている。

3.一橋大学内の「緑地管理基本計画」が、最終的に決定される前に、教職員、学生および市民に対して「説明会」を実施してください。
 ⇒(答)「緑地基本計画」は大学の責任で学内の所定の手続きにより策定しますので、市民に対する説明は予定していません。

4.今後の一橋大学内の緑のあり方について、教職員や市民の意見を取り入れるための、協議機関を設置してください。
 ⇒(答)一橋大学内の緑のあり方については「基本計画」に盛り込みその維持管理にあたりますので、協議機関の設置は考えていません。

大学の樹木、みんなで考えたい!
 9月9日、「また大木が切られているヨ!」、とキャンパスにいた知人からの連絡を受け、取るものも取りあえず、わたしたちは、大学に駆けつけました。 
わたしたちが「要望書」を提出した1週間ほど前の7月29日、一橋大学は、国立市に8本のヒマラヤ杉伐採の「届出」をしていたことが、後でわかりました。しかし、その計画は、市の「景観審議会」にも報告されていません。
大学は、約1世紀も生きてきた樹木を、「支障樹木」として取り除く前に、どれだけの検討をしたのでしょうか。大きなヒマラヤ杉が、どの程度の森林形態の形成破損や建物の雨漏り・日陰など、居住への支障があるのか、市民への情報開示とともに、納得のいく説明をしてほしいと思います。
大学には、国立に住み、一橋大学に親しんできた市民の多様な声を聞きながら、キャンパスの緑のあり方を考えていただきたいです。樹木は、大気汚染を浄化し、地下水を保水するといった計り知れない恵みを、わたしたちにもたらします。安易な伐採ではなく、木を一本でも多く残すための方策に知恵を出し合いたいものです。