小さな音楽会に拍手 ~くにたち こうじのう 音楽祭2018~

皆さんは「高次脳機能障がい」とはどんな障害かご存知でしょうか。

交通事故や脳疾患の病気の後、医師からは治療は終わったと告げられ会社に復職したが、”仕事に集中できない””記憶がとぎれてしまう“”帰路がわからなくなってしまう”などの症状ががあとから現れたりする障がいです。

国立市では生活者ネットが市民の相談を受け、議会で「高次脳機能障がい者の実態調査」を要望、その人の障がいにより障がい手帳の交付が可能かどうかなどの相談に乗ってくれるよう提案してきました。

一方、まだどのような障がいであるのかわからないことが多く、家族会をつくり、隔週障がい者スポーツセンターでお互いの悩みや相談を語り合う場ができました。国立市の発起人の方が近隣市に引っ越されたこともあり、国立市が発祥の地となった家族会は立川市、国分寺市、東大和市、武蔵村山市等の方々の参加で「多摩高次脳機能障がい者家族の会」と広がっています。
10月31日、国立芸小ホールスタジオでは、この高次脳機能しょうがいの方々の音楽祭がありました。
毎週国立市の障がい者支援課が高次脳機能障がい者に特化したサロンを開催、ゲームや歌などを楽しみながら機能訓練をしている集大成の発表会です。(サロン事業問い合わせ0425762121直通)

「糸」や「スタンド・バイ・ミー」など練習を重ねた合唱曲を発表

約10年前にバイク事故でこの障がいになったS君が、舞台の上で合唱のメンバーとして歌っていました。休憩時間にお話ししたところ、
「ボクはあなたがたどなたかわからないけれど、何かそんなことが昔あったような気がする。話しかけて下さってありがとう」と。
福祉作業所で働いていて一人暮らしで頑張っているとのこと。

周りの人が“高次脳機能障がい”を理解し、日常生活を生涯にわたり行政・地域がサポートする体制をつくれるかが大きな課題です。

ハロウィン当日ということで、出演者のみなさんは仮装スタイルで!

今回のような、小さくても心の温まる音楽会を企画した国立市障がい者支援課に拍手。
参加された皆さん、
支えている家族に大きな拍手を送ります。

(文責 阿部美知子)