大規模災害を乗り越えるために 女性×男性の視点 ~5/15山内れい子いけいけ集会から~

 浅野幸子さんが「時間がありませんから、さっそく要点からはいります。」と小気味良いテンポの早口で語り始めました。

 「この写真は被災直後の避難所です。なぜか?誰も寝ていないでしょ。避難直後は誰も眠れないんです。」

 ・避難所に最初にまず到着するのは?→健康な若い人たちです。
  小さな子どもを抱えた母親、足腰の弱くなった高齢の方、障がい者の方がたどり着く頃には、避難所も隅の寒い場所だったり、トイレに近い衛生的によろしくない場所などになります。

 阪神・淡路大震災の兵庫県内の犠牲者で関連死の方が919人(兵庫県内死者数全体の14.35%)でした。避難してからの犠牲者も多く、避難後の対応というのも重要な災害対策となります。

 阪神・淡路、新潟中越、東日本大震災の避難生活での実例をまじえ、避難後に起こる色々な問題点を説明していただきました。がまんを強いられる避難所では、小さな問題点をそのままにしておくと、後には大きな事件や命に関わる大事故につながってしまうこと。また、当事者でなければ理解できないこともありますので、男女の違いだけではなく多様な立場の視点が必要になります。

 そして、この多様な立場の視点を災害時に活かせるかは、平時での理解や話合いが出来ているかということにかかってきます。たしかに、緊急事態だからといって、日常で出来ていないことが、出来るわけはないですよね。逆に緊急事態には日常の溝が顕著にでてしまう、ということも。

 重要なことは、日常の生活の中でジェンダーを男女ともに理解し解決していく力を付けていくこと。社会的弱者の人たちに対して、社会全体が理解をしていくための仕組みを作っていくこと。いろいろな立場の人がリーダーとなっていくための素地をつくっていくこと。

 最後に、「そのためには、生活者の立場で意見を言え実行力のある人を政治の場に送り込むことは重要なことです。」と山内れい子にエールを送っていただきました。