国立・生活者ネットワーク、国立市長へ2013年度への予算要望提案を手渡す ~次世代に手わたすもの~

2012年10月30日(火)午後、市長の限られた時間の中、少し早口になりながらも国立ネット代表の大西を含め4名で説明を行いました。

「次世代に手わたす環境・景観をつくる施策」など提案し、生活の視点から、より具体的な内容項目を上げています。また、市民参加や市民協働を強調し、市民ありきの市政が行えるよう訴えたものなっています。

 こども、女性に対する「いのち」や人権の施策は、社会的弱者やハンディを持った人たちも含めた生活の場で、誰もが自分らしく生きることにもつながっていきます。

 市長に提出しました同じ内容を下に掲載しましたので、ぜひご覧下さい。項目をクリックしてください。

<大きな項目>
◆次世代に手わたす環境・景観をつくる施策
◆子どものいのちと権利を守る施策
◆女性の人権と平和を守る施策
◆誰もが自分らしく働き、暮らすための施策
◆市民自治・市民協働のまちをつくる施策

<2013年への予算提案>
◆次世代に手わたす環境・景観をつくる施策

1. 太陽光・太陽熱・小水力・風力など地域自給型エネルギーの導入を図る。とくに、小中学校をはじめ、公共施設への太陽光発電システム設置は、地域防災と将来的な歳入増につながる施策としてすすめる。

2.  放射能については、国立市独自の基準を設け、人体への外部被曝・内部被曝を防ぐとともに、環境への放出を規制する。特に子どもの健康に影響の出ないよう最善の策を講じる。

3. 市内の産業廃棄物業者リストは、特定産廃処理施設として線量の高い廃棄物の搬入も可能となっている。基礎自治体への情報提供は任意に留まっているが、市として、放射能拡散に不安を覚える多数市民がいる中、リストに対して、廃棄物搬入に関する情報提供への協力を求めること。

4. 国立駅周辺まちづくり整備については、景観保全を基本に据え、国立市長期計画・100年の計の位置づけで全庁的に取り組む。具体的に2つを提案する。
① まちづくり会議・各部会のまとめを市民に公開する。
② 市長のトップダウンに偏らないよう、基本設計・実施設計の推進・維持管理等のマネジメントは、引き続き市民参加ですすめる。

5. 「農の風景育成地区」指定などを活用し、農地と景観の保全に努める。また、生産緑地指定、体験農園や市民農園の拡大をすすめるとともに、農業ファンドや緑を残すナショナルトラストを市民協働ですすめる。

6. 地産地消の推進、産業振興のため、有機無農薬栽培、減農薬特別栽培、農産物のブランド化を促進するとともに、市内農産物の放射能検査を広く定期的に行い、情報公開する。生産者、流通業者、NPO、消費者が互いに連携し、協力し合う仕組みをつくる。

7. 府中用水の通年通水が実現するよう、近隣市と協力し、国に働きかける。また、用水を継続的に子どもたちの体験水田で活用できるようにし、用水の維持・保全を市民に働きかけるとともに、小水力発電の可能性を探る。

8. 「地下水保全条例」を策定し、地下水の水量・水質保全のための施策を行う。

9. 家庭ごみについては、有料化の前に、ごみ処理ルート、処理費の周知を徹底し、市民意識の啓発と拡大生産者責任(EPR)の促進を図る。また、生ごみ堆肥化モデル事業の推進、リユース拡大のための仕組みづくりを行う。

10. 美しい景観と良好な住環境を守るため、また容積率に大きな開きがある用途境における紛争を未然に防ぐため、「絶対高さ高度地区」の早期導入を図る。

11. 携帯基地局の設置申請にあたっては、子ども関連施設の半径250m圏内には建てない、

近隣住民の意見・要望を聞く等、環境保全とトラブル防止のための要綱を作成し、事業者と住民の紛争の未然防止につとめる。

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◆ 子どものいのちと権利を守る施策

1. 他市に比べて格段に低い教育予算を見直し、「子どもが主役」の学校づくりのための人材配置、施設改修に配分する。

2. 小中学校・保育園の給食は、市独自の放射能基準をつくり、汚染のない食材の調達に努めるとともに、継続的な食品放射能測定と情報公開を行う。放射能のみならず、遺伝子組み換え食品は使わない、地場農産物を積極的に用いる、原料原産地表示が明記された食材を使う、無農薬・減農薬・無添加の食材を優先する等、これまで選定基準としてきた内容を盛り込んだガイドラインを明文化する。

3. 子ども関連施設の大気・水・土壌について、定期的な放射能測定を行い、変化のあっ

た場合には線量軽減のための適切な措置をとる。

4. 老朽化した給食センターの大規模改修、建て替えにあたっては、直営方式を堅持する。

学校施設建て替えの際には、防災、食教育の観点から、自校式の可能性を模索する。

5. 6年生の移動教室の行き先については、日光以外の選択肢を提示したうえで、アンケ

ートなどで保護者の意見・要望を聞き取り、再検討する。

6. 急増するいじめ等問題行動解決のため、「いじめ防止プログラム」を全中学校において

導入する。

7. 不登校、問題行動をはじめさまざまな児童・生徒の問題に対応するため、専任のスク

ールカウンセラーを各校に配置し(常駐)、学級担任としっかり連携を取れる体制をつくる。また教職員の心の相談にものれる体制をつくる。

8. 貧困による教育格差をなくすために、国立市の子どもの貧困の実態調査し、受験生チ

ャレンジ支援貸付制度など情報の周知に努め、貧困家庭の適切な支援を行う。

9. 増加する発達しょうがいの子どもに切れ目のない支援を行うため、先進市の実例に倣い、保育士の指導にあたるキーパーソンとしての保育カウンセラーを保育園・幼稚園に巡回させる。また、小中学校のスマイリースタッフを対応する子どもの数に応じて増員する(学校で1人では足りない)。

10.  児童虐待の未然防止と早期発見、早期対応のため、子ども家庭支援センター、保育園・幼稚園、前述の保育カウンセラー、子育て支援課、児童課、NPO等の連携を強化する。

11.  子どもの権利擁護の立場から、「国立市子ども総合計画」に基づき、子ども参加の拡大とオンブズパーソン制度(第三者機関による相談機能)を整える。

12.  学童保育所の保育内容・質について、市内7学童で大きな差が出ないよう、市が責任を持って人員の配置や保育内容の指導・監督を行う。

13.  保育園の民営化については、子どもの育ち・保育の質の視点を最優先し、公立・私立の役割についての市民的な議論と検討を行うべきであり、歳出削減策とすべきではない。

14.  今後のまちづくりの中に、子どもが主体的に活動できる居場所や、地域の高齢者・障がい者等と世代を超えて交流できる居場所づくりの視点を入れる。

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◆女性の人権と平和を守る施策

1. すべての女性施策の基本理念として、男女平等条例を市民参加でつくる。

2. DVを含む女性への暴力・性暴力防止・救済・支援のため、また、離婚や就職相談、ひとり親の問題等にワンストップで対応するため、庁内に女性相談窓口をつくる。

3. ポスターや置きチラシ、市報での呼びかけ、講演会・学習会の開催等DVおよびデートDV防止のための施策を講じる。

4. 若い世代のデートDVと子宮頸がんはじめ性感染症が急増している現状をふまえ、性

と生殖に関する健康と権利(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)の視点から、中学校において適切な人権と性の教育を行う。

5. 避難所運営マニュアルづくりにおいては、運営リーダーとして女性の配置を図り、女性と子どもの視点を盛り込む。防災会議等に女性の視点を入れる仕組みをつくる。

6. 災害時の二次的避難所(福祉避難所・協定施設)の拡充をすすめること。特に市内中央に位置する「東京都多摩障害者スポーツセンター」は、センターが協定を結ぶに当たってのメリットを提供しつつ、災害時の市民の利用・受け入れに関する協定をすすめる。

7. 「戦争がない状態が平和ではなく、ひとりひとりが尊重され、安心して暮らせる日常こそが平和である」という視点に立ち、26市の中でも最低に近い平和施策予算を見直し、「平和都市宣言」をしている市らしく、市民の平和事業、平和・人権のための市民活動を支援する仕組みをつくる。

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◆誰もが自分らしく働き、暮らすための施策

1. 医療と福祉・保健の連携の仕組みを早急に構築する。市内在宅療養支援診療所(8カ所)

との連携を深め、各診療所の特に夜間の往診状況を把握することで、誰もが病気になっても障がいを持っても在宅で医療的体制がとれるよう体制を整える。

2. 元気な高齢者を増やすため、食生活、心の健康、運動、歯科保健の積極的な施策を打ち出し、予算配分する。介護予防事業を行っている市民の関係団体等を把握して、市民に広報し、行政と市民協働で介護予防施策をすすめる。

3. 在宅介護のケアラーへの支援として、情報交換や情報提供の場を設定するなど、介護保険では行き届かない部分への配慮ある市独自の施策を講じる。

4. 都営矢川北団地の建て替えについては、市民への情報提供を速やかに行い、多くの市民意見の収集に努め、世代を超えた地域福祉の拠点となるよう工夫を凝らす。またUR富士見台団地の大規模改修問題についても早急に一般市民にも情報提供をして、まちづくり全体の視点で市民の意見を取り入れるように努める。

5. 働きたい若者や中年の男女の雇用をすすめる為、「ビジテくにたち」の求人情報による雇用実績と課題をフォローし、市内企業に確実にマッチングしていくしくみを構築する。

また、障がいのある方の雇用促進に向けて、市内企業の障がい者法定雇用率を把握し、達成している企業を顕彰するなど促進に務める。

6. 誰もが自由に移動できる、市内の公共交通を充実させる。NPOによる有償移送サー

ビス、福祉タクシー、コミュニティーバス、さらにデマンド方式による乗り合いバスなど、利用者のニーズに合った交通体系を「総合交通計画」の中で早急に実現する。

7. 「高次脳機能障がいと家族の会」への引き続きの支援、認知症患者を持つ家族への支援の充実を図る。

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◆市民自治・市民協働のまちをつくる施策 

1. 市民に見える議会に変えるために、土日・祝日の議会開催や委員会のインターネット中継などを充実させる。

2. 市の行っているサービスや事業、また補助金・負担金等の見直しを、事務事業の評価や行政評価制度に第三者評価を入れてすすめる。もしくは、財政改革審議会(中間答申)から提案されている第三者委員会や事業仕分けの手法により集中的に見直しをすすめる。

3. 空き店舗、空き家、空き教室などの情報を集め、地域コミュニティの場、もしくは高齢者と若者のシェアハウスなど新たな住まい方を考えるNPO等とのマッチングを積極的に行う。

4. 常設プレイパークの設置については、広く市民、大学、学校、NPO等の団体、子どもに呼びかけ、連携を図りながら市民協働で進める。

5. 高齢者の自立支援のための配食サービス提供事業者の拡大にあたっては、食事の質の確保に努める。また、大手外食産業に有利な参入とならないよう、入札評価項目に市内事業者に配慮した項目を入れる。

6. 放課後子ども教室、学童保育、児童館事業については、市民参加・市民協働を積極的に促し、内容・質を充実させるとともに、まち全体で子どもの育ちを支える体制をつくる。

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