報告−国立ネット環境フォーラム06/11/25

60%の地下水、いつまで飲み続けられる?

 国立市の水道水には、60%の地下水がブレンドされています。地下水が多く含まれているほど、おいしい水と言われていますから、私たちは恵まれているといえるでしょう。
 国立ネットは、1980年代後半より矢川の水質調査を始め、自分たちの住むまちの“水と緑”を守る運動に力を注いできました。しかし、東京都による水道経営一元化が、この3〜4年間ほどで終了すると同時に、群馬県に建設中の“八ツ場ダム”ができあがると、多摩地域の貴重な水道水源である地下水は、まったく使われなくなるとも言われています。
 そこで、今回私たちは、100%の地下水を飲んでいる昭島市より、「多摩の地下水を守る会」のメンバーでもあり、「昭島環境フォーラム」主催の長谷川博之さん(高校教諭)と、八ツ場ダム問題に1960年代より関わっていらっしゃる水問題研究家の嶋津暉之さんをお呼びし、“水”の学習会を開きました。
 長谷川さんは、昭島には崖線に沿ってたくさんの湧水があり、わさび田などもあることを誇りにしていらっしゃいました。しかしいまその傾斜地に、宅地開発が進められていて、湧水と緑地が消えてしまうことをたいへん心配していました。この春から夏にかけて、市内約200の井戸を仲間と調査もして、水枯れの有無や水質、地下水の流れを、いまマップにしています。永い時と自然が創りあげてきた「宝の水」を守る意識を高めたいと、何度も力説なさいました。
 都の職員だった嶋津さんからは、八ツ場ダムが、水あまりのこの時代において、いかに“ムダなダム”であるか、データを基に語られました。税金約9000億円が使われる日本一の金食いダム、美しい吾妻渓谷をつぶす、地元の温泉街を水没させる、ダム建設地の地層も脆弱、洪水対策としての治水に関しても効果ゼロ……つまり、あらゆる面で「負の遺産」にすぎない、と。私たちの水道料金は年々値上がりしていますが、それは、すでにこのダム建設費用を見越して徴収されている!との説明には、会場に「うーん」と、八ツ場ダムに納得できない声があがりました。
 会場からも、国立の南部にある湧水地・ママ下を一部暗渠とした3・3・15号線の問題などをはじめ、たくさんの質問や意見が出されました。地下水が最良の水道水源であることは誰もが知るところです。そのために、水を豊かに蓄える緑の保全を第一に、周辺環境を守ることが大切です。なぜ、遠くのダムから水を運ぼうとするのか、この日は、私たちの命を育む水の問題を改めて考える、有意義な学習会となりました。