ごみ処理を行政がやっていていいのか!②

日本のごみ政策から考える

<2005年2月15日報告文の続き>

4、塩化ビニールの生産が止められない本当の理由

塩素を含まないプラスチックの方が、環境汚染性が低く資源化が容易であることは誰もが周知のことだが、業界が塩化ビニールに固執する理由は、実はソーダ工業にあるという。苛性ソーダを電気分解して製造する過程で、塩素が副生される。塩素は苛性ソーダほど需要がなく、常に生産過剰になる。そこで有機塩素化合物である塩化ビニールにすれば商品として販売できる。塩ビ業界では盛んにリサイクルを喧伝しているが、もし100%塩ビがリサイクルされたら、苛性ソーダは40%減産しなければならなくなる。止められない本当の理由がこんなところにある。さらに、塩ビを焼却すると発生する塩化水素を除去するために、苛性ソーダを用いて中和するなど、大変なエネルギーの無駄遣いをやっている。デンマークでは塩ビ製品に税金をかけ製造・販売を規制しているとか、塩ビの製造を止めるには、苛性ソーダの製造法を電解法からフェライト法に転換させる必要があるというのが氏の提案である。

 その他、廃プラスチックの資源化技術について、ドイツの大手総合化学メーカーBASF社の例をあげ、日本のように廃プラが消費者と自治体の協力でリサイクルできるというのは幻想であると言い切る。
 またごみ処理のあるべき姿として、ドイツのように75%以上エネルギー回収できなければ、厳しい規制によって焼却をやめ、市町村や廃棄物処理業でなく、製造業が可燃性廃棄物を石炭や石油代わりに工業原料に使用して、資源化・エネルギー化するような構造改革を提案している。
循環型社会形成のためには、プラスチックを製造したメーカーに拡大生産者責任で製造責任の一端を担ってもらう必要がある。しかし、費用負担は最終的には製品を購入する消費者が負担することになるという、基本姿勢を示された。

 私たちは常に、目の前のごみ減量に頭を悩ましているが、同時に、もっとグローバルな視点で考え、ヨーロッパ諸国などの廃棄物に対する基本的な考え方に目をむけることが大切だと感じた。生活者ネットワークでは今、廃棄物会計から行政負担を明らかにしようとしているが、もう一歩進めて、製造責任と消費者負担を基本に、どの部分を税金で賄なわなければならないかを議論していきたい。
※本文中、講演当日配布の資料より引用部分あり